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南部せんべいの原料とは?

素朴な味わいが魅力の「南部せんべい」。普段何気なく食べているこのお菓子が、どのような原料で作られているかご存知でしょうか。本記事では、南部せんべいの基本となる主原料や副原料についてご紹介いたします。

南部せんべいの基本となる3つの主原料

生地のベースとなる「小麦粉」

南部せんべいを作るうえで欠かせない主原料が小麦粉です。一般的なおせんべいはお米から作られることが多いですが、南部せんべいは小麦粉をベースに作られています。この小麦粉が、あの素朴でどこか懐かしい味わいの土台となっているのです。小麦粉本来の風味を活かした生地は、噛むほどに素朴な味わいを感じられます。また、小麦粉の種類や配合によっても焼き上がりの風味が変わるため、メーカーごとに異なるこだわりの粉を選んで生地を練り上げています。

味を調える「塩」と「水」

小麦粉の風味を引き立てるために重要な役割を果たすのが、塩と水です。多くの商品は砂糖や卵などを加えることもありますが、基本的には小麦粉、塩、水というシンプルな材料を中心に生地を作り上げます。適度な塩気が加わることで、素材の味がより一層際立つ仕上がりになります。さらに、加える水の量は季節やその日の気温、湿度によって微妙に調整しなければなりません。そのため、生地の状態に合わせて水分量を適切に調整しながら、滑らかで均一な生地へと仕上げて製造されています。

独特の食感を生み出す「重曹(膨張剤)」

サクサクとした心地よい歯ごたえを生み出すために、生地には少量の重曹やベーキングパウダーなどの膨張剤が加えられる製品が多く見られます。膨張剤を適切に配合することで、焼き上げる際に生地がふっくらと持ち上がり、硬すぎず食べやすい食感が完成する仕組みです。また、南部せんべいの特徴である「みみ」と呼ばれるふちの部分は、鉄型の構造や焼成工程によって生まれます。シンプルな材料構成だからこそ、わずかな製法の違いが全体の仕上がりを左右する繊細なお菓子だと言えます。

味わいを豊かにする代表的な副原料(トッピング)

香ばしさが引き立つ定番の「ごま」

プレーンな生地に風味のアクセントを加える代表的な副原料がごまです。南部せんべいと聞いて、表面にたっぷりと黒ごまや白ごまが散りばめられた姿を思い浮かべる方も多いかもしれません。焼き上げられることでごまの香ばしさが一気に引き立ち、小麦の優しい風味と絶妙なハーモニーを奏でてくれます。一枚食べるごとにプチプチとしたごまの食感も楽しむことができ、昔から老若男女問わず広く親しまれている味わいとして定着しています。

自然な甘みと食感が魅力の「ピーナッツ(落花生)」

ごまと並んで人気を集めるトッピングが、ピーナッツいわゆる落花生です。商品によって製法は異なりますが、一般的には生地にピーナッツをのせて焼き上げるものが多く見受けられます。カリッとした少し硬めの生地と、ピーナッツのザクザクとした歯ごたえのコントラストが癖になる味わいを生み出します。ごま入りに比べてほんのりと豆本来の甘さやコクが感じられるため、緑茶などのお茶うけとしてだけでなく、コーヒーや紅茶に合わせて楽しむのにも適しているでしょう。

イカやリンゴなど地域特有の原料

基本的なトッピング以外にも、青森県や岩手県などの地域性を活かした変わり種の原料も存在します。たとえば、細かく刻んだサキイカなどの加工品をのせて海の風味を効かせたおつまみ風のものや、乾燥させたリンゴを加えてフルーティーな甘酸っぱさを表現したものなど、その種類は多彩です。こうした地域ならではの副原料を組み合わせることで、伝統的なお菓子でありながら常に新しい味わいが生み出されており、観光地での手軽なお土産としても大変喜ばれる仕上がりになっています。

他のせんべい(米菓)と南部せんべいの原料の違い

「お米」ではなく「小麦」を使う歴史的背景

日本で広く食べられている草加せんべいなどに代表される一般的な米菓は、その名の通りうるち米やもち米を主原料としています。一方で南部せんべいが小麦粉を使うようになった背景には、発祥地である東北地方の気候が関係していると伝えられてきました。かつての南部藩周辺では冷涼な気候で稲作が安定しにくく、小麦や雑穀の栽培も行われたことから、小麦粉を使ったおせんべいの文化が根付いていきました。このような地域の歴史的背景が、現在の原料の違いに大きく影響を与えています。

※参照元:VISIT HACHINOHE(https://visithachinohe.com/stories/nanbu_senbei/)

原料の違いがもたらす食感と保存性の特徴

お米を使ったおせんべいが醤油などで味付けされ、バリッと硬く香ばしいのに対し、小麦粉を原料とする南部せんべいは素朴でサクッとした軽さを持っています。また、しっかりと焼き上げられており水分量が少ないため、保存性に優れているのも大きな特徴です。さらに、郷土料理の「せんべい汁」には、煮込んでも煮崩れしにくい専用の硬焼き南部せんべいが使用されます。単にそのまま食べるだけでなく、料理の具材としても活用できるのは、独自の製法で作られた専用の南部せんべいならではの魅力です。

素材の組み合わせが生む南部せんべいならではの風味

南部せんべいを構成する原料は、シンプルでありながら奥深い魅力を持っています。小麦粉、塩、水という基本の材料で作られることで、ごまやピーナッツといったトッピングの豊かな風味が際立つ仕上がりです。お米ではなく小麦を使用する背景には東北地方の歴史が密接に関わっており、地域の風土が生み出した伝統的なお菓子として親しまれ続けてきました。スーパーや物産展などで見かけた際は、原料の違いによる風味や食感の奥深さに注目しながら、ぜひお好みの味を楽しんでみてください。